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英語教育を語る会

2013.01.22

1月18日(金)に「英語教育を語る会」と題して、多くの英語教育に携わっている人たちが集まり、情報交換や意見交換を行った。


安河内哲也先生


森田哲也先生

スペシャルトークとして、最初に安河内哲也先生と森田哲也先生のお二方による「韓国の英語教育の動向最新レポート」が発表された。
韓国では早くに英語教育改革を始めており、小学校での英語学習も90年代後半から始まっている。
その韓国が昨年から始めたのが「国民英語能力試験(NEAT:National English Ability Test)」だという。
世界の英語試験が、スピーキング・ライティングも含めた4技能を図るものへと移行しているが、NEATも4技能が入った試験だ。
韓国は国をあげて、官民総動員でこのNEATを作っているという。

このNEATを導入することにより、韓国では大学受験の統一試験(日本でいうセンター試験)の英語科目がなくなり、すべてこのNEATの点数が使われることになるそうだ。

NEATは「日常会話」「アカデミック」「ビジネス」の3レベルある。
英検、TOEFL、TOEICなどのようにそれぞれ用途に合わせて違う試験を受けるのではないため、効率的でレベル差もわかりやすいという。
韓国の英語教育に対する本気度が伺え、NEATが今後どのように拡大し、成果を出していくのか注目されるだろう。


ジェイミー・ダンリー氏

次に日本英語検定協会(英検)代表のジェイミー・ダンリー氏が「大学入試を変えるTEAPの概要と将来」と題して、英検が上智大学の吉田研作教授と一緒に開発している「TEAP:Test of English for Academic Puroposes」について説明があった。
韓国のNEATとは少し違うが、TEAPは日本の大学受験の英語を変えるという目的で開発が進められているテストだという。
日本というEFL(英語が日常的ではない)環境で英語を学ぶということは、その環境に合わせた英語学習、そして英語試験が必要だとジェイミー氏は言う。
TEAPはまずは上智大学で試験的な導入が始まるとのことだが、韓国のNEATの成果も参考にしながら、日本人に合う試験へと成長していってほしい。


北村直子氏

最後にTOEIC(R)テストを運営する一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)北村直子氏が「TOEIC SW(スピーキング・ライティング)テスト」について発表を行った。
安河内哲也先生はこれからの時代、TOEIC990点満点ではなく、1390点満点の時代。と豪語しているが、TOEICは新たにスピーキング(200点満点)とライティング(200点満点)を図る試験を発表している。
実生活、そしてビジネスの場で必要とされる「話す・書く」という能力をどの英語試験も重要視してきているということだ。
SWテストにしても、やはり韓国の企業のほうが日本の企業よりも早くに、入社基準や昇進基準に導入している企業が出てきているという。
実際のビジネス現場で使える英語力を求めているグローバル企業ならではの動きといえるのかもしれない。

日本国内では、近年やっとTOEICの点数を入社や昇進基準として使う会社が出てきているが、今後日本はどのように英語力と向き合っていくのか。
これだけ多くの試験がある中で、本当に必要な英語力とは何か。どうそれを評価するのが効果的なのか。
より一層深い議論が必要になるだろう。

キンジロー編集長 天野智之

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