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【連載コラム】

グロービッシュというひとつの学習アプローチ-1

2012.05.07

これからの日本経済はどうなるのか。
テレビや雑誌を見るかぎりは、成長路線というよりもどちらかといえば悲観的。何かしらの新しい行動なくしては、ずるずると後退していくらしい。

一体いつから流れが変わったのだろうか。
日本は、現在のベテラン世代の奮闘のおかげで、戦後の焼け野原から、見事に右肩上がりの成長を果たした。

現在のように、パソコンもインターネットも、携帯電話だって存在しない。
仕事の効率を上げるハイテク機器がないにもかかわらず、人々の暮らしは日々豊かになり、明日への希望を抱きながら暮らしていたのではないだろうか。

当時の日本経済を牽引したのが、東芝や松下・ソニーなどを中心とした「ものづくり企業」だ。
高品質の製品をリーズナブルにつくる技術と環境が、日本の強みだった。
原材料を輸入して製品をこしらえ、それを海外へ輸出するというモデルが世界に通用し、そして求められた、まさに右肩上がりの時代だったのだ。
そんな時代を経て、現在はどうだろうか。
少なからず、日本全体の成長を感じられる時代ではないだろう。
つまり、時代の流れが変わったのだ。
厳密に言えば、変わったと認識する程度まで変化が進んだのだろう。
流れは目に見えないが常に変化をしており、近年、我々の生活に影響を与えるだけの大きさに達したのだろう。
そして我々は変化を認識した。
変化に気づいたなら、あとは行動あるのみだ。
環境は常に変化する。
我々も変化し続けるべきだ。
これまで日本経済を牽引してきた企業の業績が思わしくないのも、そこで働く社員の給料が上がらないのも、社会保険に加入できない非正規社員も増加していることも、これら全て、時代の流れの変化に対応できないことが原因だ。
企業であれば、世界の需要(ニーズ)の変化に対する事業の変化。
政府であれば、世代別人口バランスの変化に応じた社会制度の変化など、我々自身が変わることが重要なのだ。
英語教育についても同じことが言える。
グローバル時代に必要なのは、発信力と受信力のバランスが取れた英語力である。
しかし日本人は発信力が弱い傾向にある。
であれば、単語の暗記や文法の理解など、英語の知識を増やすだけでなく、そんな知識をもとに「発信」する力を養うことを優先する、そんな流れに変えていくことも必要ではないだろうか。
もちろん、単語や文法をおろそかにする、ということでない。
どちらも重要だということだ。
たとえば、社会人におけるTOEIC(R)テストもそう。
もちろん、テストが悪いわけではない。
テストの勉強を通じて必要となる知識が増えていき、受信力(リスニング・リーディング)は伸びるだろう。
しかし、そこに加えて、発信力を高めるトレーニングも、並行して実施することが大切だということだ。
そんなバランスの取れた学習スタイルに変えていくことで、コミュニケーションの取れる英語力を育てていくべきだろう。

グロービッシュというひとつの学習アプローチ-2に続く。

関口雄一さん

関口雄一さん
株式会社グローバルブルー代表取締役社長
リクルートの採用領域における営業職として活躍し、MVPを2度受賞。ネット系ベンチャー企業の役員を経て、独立。ビジネスシーンで「使える」英語、「話せる」英語のトレーニングを幅広く展開。グローバル化を推進する企業や大学向けのコンサルティング・研修・講演を行うかたわら、英語を学習中のビジネスパーソンや大学生を応援する「English Festival」を主宰。テレビ、ラジオ、ビジネス雑誌などメディアへも多数出演。主な著書に『驚異のグロービッシュ英語術(高橋書店)』がある。

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