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【連載コラム】

留学と就職の関係性とは-2

2012.02.03

オーストラリア発信の留学センター「オーストラリア留学センター」東京オフィスの坂本岳志氏に話を伺った。

この記事は「留学と就職の関係性とは-1」の続きです。

グローバル人材育成プロジェクト

2011年6月、経団連が「グローバル人材育成に向けた提言」と題したレポートを発表しました。
レポートの趣旨としては、下記のようになります。
「今後の日本経済にとって、グローバルに活躍できる人材が不可欠である。産業界が求める人材と、大学側が育成する人材との間に乖離が生じている。企業、大学、政府が協力して、グローバル人材の育成・活用に取り組んでいく必要がある(グローバル人材については下図参照)。」
実際、経団連が行った人事戦略に関するアンケート調査でも、「海外赴任を前提とした日本人の採用・育成を拡充する」と回答した企業は40%にも上ります。
また、人材紹介等を手がけている、株式会社ディスコの調査でも、1,000人以上の大手企業の40%が「海外留学経験者を採用したい」との姿勢を打ち出しているという結果が出ています。
人材育成の一環として、経団連が大学と提携をして「グローバル人材育成スカラーシップ」という留学を志す学生への奨学金制度の設置を掲げています。
帰国した奨学金受給者を対象とした就職説明会や面接会にも協力していき、グローバルに活躍できる人材育成と活用に積極的に取り組む方針を打ち出しています。


出典:日本経済団体連合会「グローバル人材育成に向けた提言」より

就職と英語力

さて、このような状況の中で、実際の就職活動の現場ではどのようなことが起きているのでしょうか。
一つの事例として、製薬会社国内最大手の武田薬品工業が、2013年入社の新卒採用から、TOEIC(R)730点以上の取得を応募条件にすることを明らかにしました。
また、野村ホールディングスでは、TOEIC(R)860点以上という高い語学力を持つ新入社員を、優遇する制度を取り入れています。
ビジネス総合誌の「PRESIDENT」の調査でも、「新卒採用時に英語能力を考慮するか」の問いに対して、「している」「今後予定している」の回答が51.4%にも達しています。
そして、評価できる英語力としては、730点以上という回答が最も多いのです。
英語力が必要となるのは、就職する時だけではありません。
就職してからの昇進条件にも英語力を問う企業が多くなってきています。
PRESIDENTの調査でも、TOEIC(R)スコアを昇進の要件にしている・今後予定している、という企業は4社に1社です。
例えば、トレンドマイクロでは、役員800点、部長730点、課長600点という基準があります。
もちろん、英語を使わなくても良い仕事もありますし、全ての企業で英語が必要というわけではありません。
ただ、世の中の流れとしては、今後、英語を身につけた人が就職に有利になっていくことは間違いありません。
しかし、英語だけ身につければよいのでしょうか?
答えはNOです。
英語だけ身につけても、企業が必要としている「グローバルに活躍できる人材」にはなれません。

留学と就職の関係性とは-3に続く。

坂本岳志さん

坂本岳志さん
オーストラリア留学センター 東京支店
http://www.aswho.com/
中学1年生の後半で英語をあきらめたにも関わらず、大学卒業後にメルボルン大学大学院へ進学。 卒業後は商社に勤務し、様々な国の人たちとビジネスを行う。2011年4月にオーストラリア留学センターに転職。もっと日本人に海外経験を!との思いで日々活動中。

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