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【連載コラム】

【連載1】英語ティーチング・ティップス 授業の基本はビジネス・プレゼンにあり!良い授業とは、わかりやすい授業

2014.02.04

「英語ティーチング・ティップス」第1回は、「授業の基本はビジネス・プレゼンにあり!」です。

この4月、生徒たちと同様に、初めて教師としての春を迎える先生方に、ビジネスプレゼンを基本とした授業構成の基本をお伝えしたいと思います。

私は、良い授業とは、わかりやすい授業であると考えています。

わかりやすい授業とは、単に「簡単な内容」を扱う、ということでは決してありません。この点において、日ごろ企業向けに実施している、英語でのプレゼンテーション研修が、わかりやすい授業を考え、組み立てるうえで、非常に役に立つと考えます。英語のビジネス・プレゼンは、単にビジネスで使えるだけでなく、その中に、グローバルに共通する「理解のためのフレームワーク」が含まれているからです。

理解のためのフレームワーク

では、ビジネス・プレゼンテーションが持つ、フレームワークとは何でしょうか?

それは、第一に、ロジックです。

ロジックとは、原因・結果の関係――因果関係であり、Why - Becauseの構造でもあります。理解のためのフレームワークには、このロジックを中心として大きく2つの種類があります。

一つは、ロジックの基本である、三角ロジックです。

ロジカルな話し方というのは、まず、結論・主張(Claim / Proposition)から始め、次にその主張をサポートする証拠(Evidence)、さらには、その証拠をサポートする推論・論拠(Warrant)を提供するものです。

この三角ロジックを基本として話を展開することで、論理的=わかりやすい授業を構築することができるようになります。

もう一つのフレームワークは、プレゼンの定石である3つの構成――序論(Introduction)・本論(Body)・結論(Conclusion)です。

この構成に当てはめることで、安定した授業を展開することが可能になります。

導入(Introduction)のポイント

また、授業ではつかみが大切です。そのためのフォーマットも、ビジネスプレゼンには用意されています。

以下の5項目です。

1. あいさつ
2. 自己紹介
3. ウェルカム
4. 目的
5. 時間の目安・見通し

このフォーマット通りに授業内容を構成することで、いつでも安定したつかみを提供することができるようになります。

これらのフォーマットは、授業であれプレゼンであれ、聞き手が無意識に期待している内容を含んでいます。特に、5の「時間の目安・見通し」はとても重要で、これからの話がどのような構成になっているか、時間がどれくらいかかるかを示すことで、安心して生徒(聴衆)が本論を聞いてくれるようなります。いちいち、こんなことを言わなくても、と感じられるかもしれませんが、毎回このステップを踏むことで、安定した高評価につなげることができるようになります。これは、実際に私自身も、企業での英語研修において使用しているフォーマットで、これまで安定した高評価につながってきています。

導入および本論の展開で、もう一つ大切なことがあります。

それは、スペキュレーションと驚きです。

スペキュレーションの効用

良かったと言われる授業で大切なのは、何より「わかりやすい」ということですが、それに加えてもう一つ「驚き」の要素を入れることが必要です。

そのために使われる手法が、スペキュレーション。ああでもない、こうでもない、という問いかけです。あるテーマについて最初に結論を言うことも大事ですが、ときに聞き手にその問い自体を投げかけて考えてもらう。そこに、常識を覆す事実を提示することによって、意外な印象を与えるとともに、「目からウロコが落ちた!」という高評価・好印象につなげることができます。

これも、実は三角ロジックの応用で作ることができます。

通常とは逆に、証拠や、推論・論拠からスタートし、そこから結論を推測させるというものです。この手法を使えば、意図した結論に導く過程で、さまざまなスペキュレーションを行うことができるようになるのです。

以上のビジネス・プレゼンのティップスが、新学期、新しい授業のスタートの参考となれば幸いです。

今後は、このようなティップスをはじめ、レッスンの達人に学ぶ形で色々な手法や教材をご紹介していきたいと思います。

記事提供:先生のための語学教材活用ルーム「Lesson Library
執筆:竹村和浩さん TLL言語研究所 代表

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