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【連載2】レッスン構築の基礎知識+「アリストテレスのプレゼン術」

2014.03.13

プレゼンの3つの要素

アリストテレスは、プレゼンに関する有名な著作を残しています。Art of Rhetoricです。日本では、岩波書店から『弁論術』と題された翻訳書が出版されています。この書には、いかに人前で効果的に話せばよいかという、演説・プレゼンのティップスが書かれているのですが、その中で彼は、スピーチ・プレゼン成功のための3つの要素というものを挙げてています。

その3つの要素とは、
(1)ロゴス(logos)
(2)パトス(pathos)
(3)エトス(ethos)
です。

ロゴスとは、ロジックのこと、つまり論理的な展開が重要ということです。
パトスとは、パッションのこと。話し手の情熱、また聞き手の感情のコントロールを指します。
そしてエトスとは、ethics つまりは倫理性・人間性を指します。
非常にシンプルですが、まさに言いえて妙です。この3者が整ったとき、確かによいプレゼン、また授業を構成することができるはずです。

レッスン構築の基礎知識

レッスン構築のための基礎知識として、英語科教授法の基本をおさらいしたいと思います。
英語科教授法の主な流れを振り返ると、以下の種類の教授法を挙げることができます。実際のレッスンでは、これらを混合して行うことが多いはずですので、基礎知識として頭に入れておきましょう。

(1)訳読方式(Grammar Translation Method)
従来の学校英語で使用されてきた、ヨーロッパの伝統的なラテン語教育に端を発する教授法です。音声面を重視しない特長があり、読めても話せない、という結果を生むことが知られています。しかしながら、短期間で読み書きの能力を育てる点においては非常に優れた教授法です。
(2)直接教授法(Direct Method)

(1)の訳読方式の反省から生まれたのが、直接(ダイレクト)教授法です。主としてPalmerによって提唱されたもので、訳読をしない、文法は帰納的に、発音記号を教える、など、自然な形での言語習得を目指す内容となっています。このメソッドは、さらに大きく2種類の教授法に分けられます。

?ナチュラル・アプローチ(Natural Approach)
?TPR(Total Physical Response)

?は、自然なかたちでの言語習得を目指すところから、学習者の間違いを直接指摘しない、という方針が取られています。?は、リスニングをスピーキングに優先させるようにしており、自然に話せるようになるまでは、聞いた指示を行動に表すことによって習得するように作られたアプローチです。

(3)オーラル・アプローチ(Oral Approach)
言葉は話すためのものである、という立場から、大きく2つの特徴を持った教授法です。一つは、Mim-Mem (Mimicry Memorization)と呼ばれ、例文の音読暗記法。もう一つは、パターン・プラクティス(Pattern Practice)による、構文の内在化を目指すアプローチです。これらを使って外国語の習熟を目指す内容です。ただし、機械的な作業が中心となりがちであり、この点には留意が必要であると指摘されています。

(4)コミュニカティブ・アプローチ(Communicative Approach)
最新の教授法として近年、取り入れられるようになり、主としてチョムスキー(Chomsky)の言語理論に基づき、心理的な面も考慮しながら運用されています。とかく機械的になりがちなOral Approachの運用に対抗するもので、「有意味学習」と「発見学習」の2つの特徴を持っています。

教授法には、絶対的なメソッドというものはいまだに存在しません。これらのメソッド、アプローチの利点をうまく活用して、レッスンを組み立てていくことが必要であると言えます。
今後も、用語や、実際のレッスン・プランなどをご紹介していきたいと思います。

記事提供:先生のための語学教材活用ルーム「Lesson Library
執筆:竹村和浩さん TLL言語研究所 代表

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