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【連載3】レッスンプランの立て方

2014.04.04

リーディングのレッスンプラン

リーディングのレッスンプランについて考えてみましょう。
リーディングの授業は、最も一般的な英語授業のスタイルを取るものと言えます。リーディングに必要な要素は、主として以下の3つです。

(1)語彙の習得
(2)文法の理解
(3)構文の知識

これら3つの要素のどれが欠けても、十分なリーディングを指導することはできません。
次に、これらの要素をどのように配置するかを考えます。まず、(1)の語彙の習得には、2つのアプローチが考えられます。ひとつは事前(リーディングを行う前)に習得させる方法、もうひとつはリーディングの最中もしくは事後に習得させる方法です。

ひとつ目のアプローチでは、周知徹底させる仕組み作りが必要でしょう。この準備がないと全体でうまくレッスンを進めることは難しくなります。2番目のアプローチは、授業の中で実施することになるため、全体を比較的均等に進めることが可能です。しかし、量的な問題や定着度などの点では、事前の場合よりも難しいと言えます。
次に、(2)の文法の理解です。これにも事前と事後が考えられます。

教科書などを使うのであれば、そこに示されていることが基本的には当日のレッスンの取得目標となるでしょう。従来的なアプローチでは、やはり例文、説明、そして演習という流れが自然です。

しかしながら、これらはいわゆる、文法訳読方式の典型と言うべき手法であり、同じ説明で、生徒によって理解度が異なってしまうことが考えられます。理解できなければ、そのまま、習熟の遅れとなるわけです。

実は、この訳読方式は、英語を話すことを目標に据えた場合には、即効性が低く、従来から言われる通りの欠点(知識は伝わるが、実際に使えない)を抱えています。しかし、リーディングの指導においては、この欠点をカバーする方法があります。それが、いわゆる「音読」です。

何度も何度も繰り返し音読することで、知識として理解した英文を内在化することができるようになります。ときには、丸暗記も重要な要素であると言えるのです。

訳読方式では、翻訳の能力はつくが、話す力・発信力はつかないと言われます。しかしながら、英文のきちんとした理解なしに、ただ表面的に話しているだけでは、十分な語学力を身につけたことになりません。そこで、知識として語彙を身につけ、文法の仕組みを理解したのちに、声に出してリーディングする時間を多めにとることが重要になると言えるでしょう。

たかが音読、されど音読です。

基本的なリーディングのレッスンプランの具体例

プラン例1:
(1)語彙の提示
フラッシュカードを使っての全体音読と意味の確認
(2)音読の実践
これには、さまざまな工夫が必要です。
例:グループワークを使った音読
・マシンガントークなどスピードを競わせるタイムトライアル形式
・さまざまな方法で回数を重ねる方式(ペアでの輪読など)
(3)文法事項の説明
実際には、音読を使って文法事項を含む例文を暗記させることが重要です。
(4)そのほか、長期的な目標のためのルーティンワークなど

プラン例2:
(1)ルーティンワーク(長期的目標)
ビンゴによる語彙確認
単語テスト
(2)スラッシュ・リーディングの作業
本文に、文法項目などに従ってスラッシュを入れていく。
スラッシュで区切られた部分ごとに意味・文法を確認する。
(3)語彙の確認
新出語彙を確認し、発音・意味を習得する。
(4)まとめの音読
意味内容を理解した英文を繰り返し音読し、まとめとする。

ここに示したのは、きわめて基本的な流れではあります。しかし、一定のルーティンワークを取り入れることは、授業の流れを安定させることにもなり、受講生たちに、落ち着いて学習に取り組むきっかけを与えることができます。

さらには、教科書を使うかぎり、一定の語彙・文法などに関する新出事項の確認は避けることはできません。そこで、それらを使ったより実践的な形のレッスンを行ううえで、音読を取り入れることは、重要なポイントであると言えます。

今回は、リーディングを取り上げましたが、今後は、発音指導や語彙指導など、ほかの学習分野での具体的なレッスンプランの基本をご紹介していきたいと思います。

記事提供:先生のための語学教材活用ルーム「Lesson Library
執筆:竹村和浩さん TLL言語研究所 代表

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