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【連載コラム】

【連載4】グローバル社会で求められる「知的創造力」とは?

2015.06.01

知的創造力が最も花開き、多くの新たな価値が生み出されている国はどこだろうか。その答えを一つ上げるとしたら、間違いなくアメリカであろう。
世界をリードするGoogleなどグローバル企業を数多く擁し、シリコンバレーでは様々な革新的なビジネスが生まれ、3Dプリンターなどのテクノロジーもアメリカで開発されたものだ。このアメリカの創造的価値創出の裏に隠されているものは、公教育の力であると私は考えている。アメリカと日本の公教育の比較を、主に授業方法、クラス環境、また受験制度などから行ってみたい。

まず、授業の進め方に関して、受動的な詰め込み教育の日本と比較して、遥かに主体的な方針が取られている。授業では常に発言を求められ、「あなたはどう考えますか」という自分の意見が肝心となっている。
小学生などからプレゼンテーションやディベートを行うが、そこでは厳格な論理的な正当性も求められるし、同時に独創的な主張も好評化の対象となっているのだ。

また、クラス環境として、日本との比較ではもちろん、明らかに世界の中でも突出した多様性が保持されている。もちろん、移民国家として知られるアメリカであるため人種のるつぼと言われて久しいが、アジア、アフリカ、ヨーロッパの中でも飛び抜けて優秀な学生が留学をしにアメリカへやって来る。
ミシガン大学教授のスコット・ペイジ氏の研究結果では、多様性は問題解決や創造性へ正の効果をもたらすとされている。生まれてすぐに多様性に触れる環境は脳機能をはぐくむ上でも非常に有益だと考えられているのだ。

また、入試制度も大きく創造性の育成へ影響を与えるであろう。日本の受験制度と異なり、アメリカでは大学入試では高校時代の成績、推薦書、統一試験(SATなど)といった多様な要因で合否が判断され、なかでもエッセイはもっとも重要な判断基準となる。エッセイを充実させるため、学生たちは勉強のみならず、様々な活動を懸命に実施し、その中で多様な価値観を育んでいく。
こういったプロセスを通して、世界で最も有能で、知的創造力の高い人材が生み出されて行くのである。

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