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【ビジネス】

2016年第3四半期のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動

2016.12.14 09:00

世界10ヵ国で人材紹介事業を展開し、東南アジアでは最大級の規模(※)を誇るジェイ エイ シー リクルートメント グループは、この度、2016年第3四半期のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向を纏めた。
※自社調べ(アジアで人材紹介事業を展開する同業他社の売上規模を比較)

■■マレーシア■■
「前年同期比で求職者の登録が大幅増 特に北部のペナン地区での増加が顕著。
多言語人材も積極的」
(対前四半期の求人数 5%減)
JAC Recruitment マレーシア法人社長 大西 信彰

8月にVistage-MIER(マレーシア経済研究所)が発表したCEO Confidence Index(経済動向信頼感指数)によると、第3四半期は78.2ポイントと第2四半期の86.4ポイントから8.2ポイント下降しました。昨年同時期に比べると13.1ポイント上昇したものの、100ポイントを超えた2013年第3四半期以来継続して閾値である100を下回っています。そのような状況でも、企業の売上は126ポイント、収益は111ポイントと増加傾向にあるため、ビジネスの先行きは楽観していることが窺えます。また、JACTIM(マレーシア日本人商工会議所)の2016年下半期の景気動向結果では、「景況感は軟調に推移するも、2015年上期に底打ちした後、穏やかな回復基調にある」と発表されました。

【企業の採用動向】
第2四半期に引き続き、製薬会社系のシェアードサービスセンターやIT系BPO(業務の外部委託)からの外国語(韓国・ベトナム・タイ)人材や、日本人人材の需要が高い状況です。他にも、エンジニアリング・建設・デベロッパー・化学・金融業界での採用意欲も高まっています。また、地場の製造業から、高付加価値と生産性の向上を狙い、工程管理、生産計画、KAIZENなどの専門性に長けた日本人技術者の求人の依頼を受けるようになり、これは当社にとって新しい動きとなっています。

【求職者の動向】
2014年、2015年ともに第2四半期をピークに第3、第4四半期は求職者の登録はなだらかに下降するのが例年のパターンでしたが、日系企業での駐在員代替要員や生産性向上のための製造部門人員増強、外資系企業のシェアードサービスセンターで多言語人材の採用が増加していることから、求職者の登録も増加傾向にあります。特に多言語スピーカー人材、および北部のペナン地区での求職者増加が目立ち、昨年の同期比で16%の増加となりました。

■■シンガポール■■
「景気の低迷にともない、雇用の鈍化が懸念される」
(対前四半期の求人数 19%減)
JAC Recruitment シンガポール ディレクター 藤田 千栄子

各種経済指標の悪化にともないマイナス成長の懸念は払拭されていない状況ですが、政府から対策を講じる準備を行っているとの公式見解があったことから、国民から政府主導による景気改善対策に期待が高まっています。

【企業の採用動向】
2017年から外国人就労ビザの取得条件が更に厳格になることを踏まえ、企業がシンガポール人および永住権保持者を優先した雇用方針を立てているものの、需要と供給のバランスが取れておらず採用に苦戦しています。業界別ではFinTech、eコマースなどのインターネット関連企業での求人が増加しており、貿易・ロジスティック関連企業では減少傾向にあります。各種製造業やサービス業では需要が減少したものの、建設業においては伸びが見えていますが、全体の求人数は経済指標の悪化により伸びが鈍化しています。

【求職者の動向】 景気低迷の懸念により、中堅クラス以上の人材は転職に保守的な方が多い状態ですが、若手クラスの人材は積極的に転職の意向を示しています。例年では年末から旧正月にかけては登録が全体的に減少しますが、まだ景気改善対策の結果が見えないことから、今年から来年にかけては動向が予測しにくい状況です。

■■タイ■■
「景気は厳しいが、転職・採用活動は旺盛 国王死去の影響で、一定期間採用を控える動きも」
(対前四半期の求人数 5%増)
JAC Recruitment タイランド法人社長 山下 勝弘

8月の国民投票で新憲法草案が無事に承認され、タイ政府は2014年5月のクーデター以来、民主化への方向性を示しました。しかし、70年間国民から絶大な支持を集めた国王の死去により政治・経済が不安定になることが懸念され、景気低迷によりしばらくは先が読めない状態が続いています。

【企業の採用動向】
年間採用計画の策定を始めた大手企業と採用が難航している中小企業では状況が異なりますが、全体感での企業の採用動向はおおむね横ばいの状態です。国王の死去による自粛状態がしばらく続くことが予想されることから、採用を控える企業が増える可能性があり、回復は来年以降になる見込みです。

【求職者の動向】
依然として1%前後の失業率は変わらず、景気に関係なく売り手市場が続いています。タイの人々は、年末から年始にかけて年に1度だけ支給されるボーナスを通常の給料と考える慣習があるため、ボーナスが支給される来年初旬まで転職活動を控えることが考えられます。

■■インドネシア■■
「2017年の景気回復を見込み、採用が始まる」
(対前四半期の求人数 16%減)
JAC Recruitment インドネシア法人社長 小林 千絵

タックスアムネスティ(租税特赦)法案が6月に可決、7月に施行され、その第1フェーズが9月に終了しました。10月時点で来年3月までの目標の60%を達成しており、インドネシアの政策はビジネスパーソンたちから高い評価を得ています。国営企業も資本金を増額し、今後のインフラ整備等の準備を開始しました。

【企業の採用動向】
インフラが整っていない状態のため、経済の実質成長にはまだ2?3年はかかると言われていますが、財閥等によるeコマースへの投資が続き、それに関連する人材ニーズが引き続き高い状態です。また、それに関連するFinTech市場でも人材ニーズが高まりつつあります。日系企業が多い自動車業界はまだ活気が戻らない状態ですが、発電、建設等のインフラ関連業界では採用の動きを見せています。全体的に、日本人と日本語人材のニーズは変わらず高い状態です。

【求職者の動向】
2015年と2016年は不景気により転職に慎重な様子が見られたり、転職先から内定通知を受けた後に現在の会社から引き留められ辞退するケースが多く、新規進出した企業は優秀な人材の採用に苦戦する状況が続いていました。現在も各企業では採用が追いついていない状態のため、求職者に有利な売り手市場となり転職者の年収は20%~30%アップすることも珍しくない状態です。

■■ベトナム■■
「求人動向は引き続き活況の傾向 日本語スピーカーの需要は細分化」
(対前四半期の求人数 23%減)
JAC Recruitment ベトナム法人社長 加藤 将司

前四半期からサービスや小売りなどの非製造業の進出は活発な状態が続いており、ホーチミンでは7月にイオンの4号店、8月に高島屋がオープンして以来それぞれ盛況を呈しています。日系コンビニエンスストア各社も店舗を増やし、人々の生活に密着しています。また、不動産業、金融業も景況感が増してきています。今年は水害など自然災害が例年以上に多く発生しましたが、景気への影響はありません。

【企業の採用動向】
全体の求人数は前期比で減少しましたが、製造業、IT、サービス、小売り、コンサルティング業から日本語スピーカー人材のニーズが増えています。南部ではサービス業が多いことから日本語スピーカーの需要が高かった傾向が、最近では北部でもその動きを見せています。以前は日本語が話せれば未経験でも採用するという基準から、最近では日本語のスキルに加え経験があることを条件とする企業が増加しています。また、ビジネスの新規立ち上げ要員と、退職者の代替要員採用の求人が増えており、日本人のポジションも営業要員を採用するという今までの流れが変わり、最近ではスペシャリストのニーズが増加しています。特にサービス業のホスピタリティ職の人材や、不動産関係の専門家が不足している状態です。

【求職者の動向】
来年はテト(旧正月)が1月下旬と時期が早いため、例年よりも求職者の動きが鈍くなる時期が前倒しになることが予想されており、11月には鈍化する見込みです。第一外国語で日本語を選択できる学校が増え、日本の大学がベトナム現地で積極的に留学生獲得目的のプロモーション(イベントや広報)を行っていることもあり、ベトナム人の日本語習得熱が高まっています。日系のBtoCや小売業が増えてきたことで日系企業への関心は増しており、就職を希望する求職者が増加しています。

■■中国(上海・北京・広州)■■
「求人市場はほぼ横ばい 一部には改善の傾向も」
(対前四半期の求人数 12%減)
JAC Recruitment 中国法人社長 矢野 広一

9月に杭州で行われたG20が成功に終わり、政府は2016年第3四半期に安定した政治経済を主導しました。政府公表の各種経済指標は軒並み改善を示していますが、市場を支えているのは製造業と不動産業のみで、期待の小売やサービスは失速感があるということが、中国全体の市場景況感となっています。

【企業の採用動向】
日系企業では年末までの営業成績の達成に向けて営業職の人材を中心に採用を強化しており、優秀な人材獲得のために現地法人側が日本の本社に給与予算の増額を依頼するケースも見られます。当社では、継続して高額帯求人の獲得に注力しているため、求人数は前四半期比では減少する結果となりました。

【求職者の動向】 企業側が提示する年収と求職者側の希望年収の差が以前よりも縮小されていることから、結果として日系企業への転職状況はわずかながらも改善が見えています。ただし、依然として日系企業の給与は現地企業や外資系企業と比べ最低水準のため、より給与の高い外資企業や国営企業を希望するトレンドは継続しています。

■■香港■■
「景気は緩やかに回復傾向 日本語不要人材、及び幹部候補ニーズが増加」
(対前四半期の求人数 8%増)
JAC Recruitment 香港法人社長 蓮子 哲也

第2四半期のGDPは1.7%成長と、前期の0.8%から上昇し回復基調に向かっています。しかし現実的には中国本土をはじめとする外的要因の影響を受けた結果であるため、香港経済の安定には中国本土の景気回復を待つ必要があります。その対策として、香港政府は2016年4月より「コーポレートトレジャリーセンター」という金融財務活動における優遇税制を実施しています。

【企業の採用動向】
日系企業の新規事業の参入にあたり、流動性の高いジュニアクラスの欠員補充に加え、専門性の高い人材ニーズが求められていることにより、求人数が増加しています。また、社内制度を改革するための即戦力人材の採用、香港マーケット攻略を目的に日本語力を不要とする人材の採用、現地化を促進させるための幹部候補のローカル人材の採用など、人材ニーズは多岐にわたっています。また、引き続き外資系企業からの日本人採用ニーズは堅調で、即戦力となる営業人材の依頼も増えています。

【求職者の動向】
日系企業ではジュニアクラス人材の流動性が高い状態ですが、全体的に見ると先行き不透明な経済状況により転職に対する意欲は下降の傾向にあり、これから年末年始にかけて更に人材の流動性は下がることが予想されます。日系企業による日本人採用のニーズの減少により、現地の日本人は香港現地会社や外資系企業への転職を希望する求職者が増加傾向にあります。

■■韓国■■
「長期夏季休暇前から求人数は減少傾向に」
(対前四半期の求人数 21%減)
JAC Recruitment 韓国法人社長 土山 雄一郎

世界有数の海運会社であり、韓国海運最大手である韓進海運が法廷管理(会社更生法に相当)を申請した事に加え、現代自動車が12年ぶりに工場の生産ラインを止める全面ストライキを実施し、サプライヤーである多くの在韓日系企業に影響を与えており、景況感は悪化している状態です。
【企業の採用動向】 長期夏季休暇(チュソク)前から求人数は全体的に減少となり、回復の兆しが見えない状況です。全体的に事業拡大による増員募集よりも、欠員による求人が増えています。
【求職者の動向】 経験者は長期夏季休暇後から少しずつ動き始めていますが、例年に比べるとまだ鈍く、これは景気の低迷が影響していることが考えられます。一方で新卒者は積極的に活動を行っていますが、就職は以前にも増して厳しい様子です。

■■インド■■
「採用活動は活発化 企業の新規進出関連の相談も増加傾向」
(対前四半期の求人数 7%増)
JAC Recruitment インド法人社長 早瀬 恭

GST(Goods & Services Tax:物品税)導入のための憲法改正が可決され、税制改革が開始されると同時に国営企業改革も始まり、市場への期待値が非常に高まっています。これを背景に、新規進出目的の相談件数が増加傾向にあり、既存企業の拠点展開も引き続き活発化しています。

【企業の採用動向】 給与の改定時期という季節的要因もあり、後継・代替要員の募集が増加しており、増員目的の求人は引き続き限定的である傾向が見られます。そのような状況でも日本人の求人数は急増しており、日本語スピーカーの給与上昇、駐在員不足を背景に昨年比で約3倍まで増加しつつあります。

【求職者の動向】 10月下旬のディワリ(インド最大の祝日)を目前に少し落ち着きを見せており、例年通り11月中旬から再度市況が活発化することが予測されます。また、日印関係の親密化により、少しずつ日系企業の人気が高まりを見せていることから、求職者が増加傾向にあります。

■■日本■■
「新卒採用活動に目処が立ち、中途採用活動が再び過熱の兆し」
(対前四半期の求人数(日本企業の海外関連要員) 8%増)
JAC Recruitment 海外進出支援室 室長 佐原 賢治

第3四半期以降、企業の研究開発投資を増やそうとする官民の取り組みにともない、FinTechやIoT、AI関連、電気自動車などの新技術を競うメーカー各社の動きが一層活発化することが予測されます。一方、2020年に向け建設業界は引き続き活況で、技術者不足が著しい状態です。

【企業の採用動向】
日系企業の海外事業要員の採用は、新卒採用活動の影響で求人が減少した1月~6月から、海外に生産拠点を持つ製造業や、新興国の大型プロジェクトを手がける建設業を中心に増加しました。7月~9月の求人数は前期比で8%増ですが、前年同期比では32%増と高い伸びを見せています。製造業では自動車部品業界でメキシコやドイツ向けの事業要員、また、機械や食品関連の業界ではインドネシアやタイの現地大手企業向けの営業要員を採用する動きが続いています。

【求職者の動向】
当社の新規登録人材数(7月~9月)は、4月~6月に比べて2%の微増となりました。例年夏期休暇があるこの時期は転職希望者の動きは鈍化し、9月~10月以降に再び増えることが予想されます。転職希望者は現職中の方々の割合が高いため、面接や選考スピードもやや鈍化しています。


※以下のリンクより、より読みやすいPDF版のプレスリリースをご参照ください。 https://www.atpress.ne.jp/releases/115380/att_115380_1.pdf

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