編集長ノート

今回は、日本の就職と採用事情について話をしたい。「新卒」重視、学歴主義の日本の就職システムは世界からどう見え、今後どうなっていくのか。

大学でのことである。人材採用に関する授業で、履歴書(レジュメ)の書き方の講習があった。そのとき「ダメな例」として挙げられたのが、なんと日本の履歴書だったのである。

何がダメなのか。

  • ①顔写真を貼る
  • ②生年月日の記載欄がある
  • ③学歴欄がある

この3点である。

理由は、①人を見た目で判断してはいけない。写真があると、どうしても採用担当の主観が入る、②能力で人を見るのであって、年齢は関係ない、③大事なことは、学校で何を学んだか、成績はどうだったかであり、いつどの学校に行っていたかなどの情報は不用(ちなみにアメリカでは最終学歴以外は履歴書に書かない)、である。

日本人としては当り前に使っていた履歴書が、他国では通用しないとは。この授業は衝撃的だった。

その後、私は一般企業に就職。独立して現在会社経営をし、社員の採用も担当するようになってわかったことがある。それは、「学歴」は一つの採用基準になるかもしれないが、人の能力は年齢や学歴では判断ができないということである。実際、当社で働いているそう多くもない社員の出身校を、私はほとんど知らない。いい仕事をしてくれればそれでいいのである。

今の日本には国際社会で戦える優秀な人材が必要不可欠だ。それは、言われたことに素直に従うだけの、均質に優秀な人材ではなく、自分で考え行動できる、強い個性を持った人材だ。最近の企業が、採用にあたってエントリーシートや面接を重視するのもそのためだろう。日本の採用事情も変わりつつあるのだ。

日本の履歴書から学歴欄が消える日は近いのかも知れない。

[Vol.07 2010秋号掲載]

編集長プロフィール

天野智之

天野智之

15歳で単身ニュージーランドの高校へ留学。高校卒業後に渡米、カリフォルニア州立大学で学位を取得。その後日本へ帰国し、会社員を経て起業。
「海外から見た日本の教育」という視点で日本の教育制度にもの申す!

blog comments powered by Disqus

«前の記事へ |  編集長ノート一覧  | 次の記事へ»

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます