編集長ノート

企業が社員を採用する際に、最も重視するのが「コミュニケーション能力」。
日本人が苦手とされている能力の一つだ。

ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「JUSTICE」という授業をご存じだろうか。
TVでも随分取り上げられたので、見たことがある人もいるだろう。
サンデル教授が生徒にテーマを投げかけ、あとは生徒同士の議論で授業が進んでいく。
教授は、途中で助け舟を出すことはあっても議論を誘導したり、正解を提示することはない。
あくまでも主体は生徒なのだ。
このような環境の中で、生徒たちのコミュニケーション能力が培われていく。

海外ではごく当たり前の授業風景だが、日本であれだけ話題になったのは、それだけ日本の授業が、「コミュニケーション」から程遠いことの証左ではあるまいか。

「JUSTICE」の授業には答えがない。
生徒それぞれが意見を主張し合い、理解を深めることが目的だからだ。
議論がどこに向かうかは予測不能。
先生のファシリテーターとしてのスキルが求められる。

日本の先生たちはそのような指導法に慣れていないし、「受験」という壁も立ちはだかる。
日本で「JUSTICE」のような授業を求めることなど無理なのかもしれない。

1クラス30〜40人という日本のクラスサイズも、ディスカッション形式の授業を困難にしている。
海外では、1クラス30人未満の学校のほうが多い。

しかし、現状のままでもグループワークやペアワークという形で、授業にディベートやディスカッションを取り入れることは可能だ。
実際にそのような活動をされている先生方が少なからずいる。

今の授業を急にガラリと変えるのは難しいかもしれない。
だが、50分の授業の中で5分でも10分でも意見を言い合う時間を作ることはできるのではないだろうか。
グローバル時代を生きるスキルのひとつ、コミュニケーション力を鍛えるために、ぜひ考えてみてほしい。

編集長プロフィール

天野智之

天野智之

15歳で単身ニュージーランドの高校へ留学。高校卒業後に渡米、カリフォルニア州立大学で学位を取得。その後日本へ帰国し、会社員を経て起業。
「海外から見た日本の教育」という視点で日本の教育制度にもの申す!

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