編集長ノート

OECDが今年発表した「図表でみる教育2013年版」に「日本は海外留学のさらなる促進によって恩恵を受ける」という記載があった。
それによると、多数の外国人学生が日本の大学で学んでいるものの、海外で学ぶ日本人は多くないのだという。
2011年に38,535人の日本人学生が海外の高等教育機関に在籍していたが、これは2005年の62,853人から比べると大幅に減少していることが分かる。
日本の高等教育機関に在籍する学生のわずか1%とか海外で学んでいない計算になり、最も低いレベルなのだという。
ちなみにOECD加盟国全体の数字は2%の高等教育に在籍する自国の学生が海外に在籍していて、EU加盟国全体でみると3.6%にものぼる。
この資料では、「海外留学が日本人学生に高度な知識、グローバル人材ネットワークへの接触、語学力、特に英語力の向上の機会を与えるという点において、日本人学生の海外留学の減少は、こうした機会の放棄を示唆するものである。」と記している。
まさにその通りだ。特に「グローバル人材ネットワークへの接触」という部分が大きなキーポイントだと私は考えている。
簡単に言うと、海外に友達のいない日本人は、どんどん取り残されていき、気づいたら日本人のいないところで色々な話が進み、ルールが決められていくだろう。
海外への影響力も弱くなり、外交上も不利になる。

そう考えると、留学をすることは実は個人だけのメリットではなく、国益にもつながる重要なことなのだ。
「予防外交」という言葉もあるが、海外にネットワークを広げておくことはとても大切なことであり、日本人は留学者数の減少をもっと真摯に受け止め、本気で改善していく必要がある。

編集長プロフィール

天野智之

天野智之

15歳で単身ニュージーランドの高校へ留学。高校卒業後に渡米、カリフォルニア州立大学で学位を取得。その後日本へ帰国し、会社員を経て起業。
「海外から見た日本の教育」という視点で日本の教育制度にもの申す!

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