編集長ノート

欧米諸国と比べて「日本は女性の社会進出が遅れている」「子育て環境が整っていない」そんな議論を良く耳にする。
本当にそうだろうか?

例えば、少子化対策の1つとして、女性が働きやすいようにということで、育児休業の期間を3年まで可能になったが、果たして育児休業期間が延びたからという理由で女性の社会進出が進むのだろうか?
変化の速い現代において、長く休めば休むほど仕事に復帰しづらくなるだけではないだろうか?

日本で「欧米諸国」と言うとそのほとんどはアメリカが参考にされている思うが、そのアメリカはどうなっているか見てみよう。
アメリカでは「産休」はほぼ無い。生まれる直前まで働いていることがほとんど。さらに「育休」は4?8週間程度がほとんど。つまり1?2ヶ月くらいで職場復帰している。出産後も1?2日くらいで退院する。日本のように1週間近く入院することも無い。
私自身、アメリカ人の友人と話していると、みんな口を揃えて「日本は産休・育休期間が長くて羨ましい」と言う。1年の育休がとれるというだけでも彼らからしたら凄く良い環境なのだ。それが3年となったらどれだけ良い環境かわかるだろう。

では出生率を見てみるとどうだろうか?
2013年時点で日本は1.43、アメリカは1.88の出生率だ。日本よりも出生率が高い。
つまり産休・育休の期間が長いから子供を産む人が増えるわけではない。

また、待機児童の問題も大きいと言われるが、アメリカでは公立の保育園というのはほとんどない。私立の保育園(デイケア)やプリスクールがメインになるが、都市部では月額15?20万円は当り前。ベビーシッターを雇えば25万円を超えることもザラだ。
日本の保育園や幼稚園よりも圧倒的に高い。給料のほとんどをデイケアやプリスクールに使っているという家庭もあるくらいだ。

日本は既に恵まれた環境にあるのだから、産休・育休などを充実させたところで女性の社会進出は進まない。理由は他にあると考えられるだろう。

次回は女性の進学率・就職率などの統計をもとに女性の社会進出の現状を見てみよう。

編集長プロフィール

天野智之

天野智之

15歳で単身ニュージーランドの高校へ留学。高校卒業後に渡米、カリフォルニア州立大学で学位を取得。その後日本へ帰国し、会社員を経て起業。
「海外から見た日本の教育」という視点で日本の教育制度にもの申す!

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