特集

冨田和成

IT x 金融で、未だ売り手(金融機関)優位の金融業界の非効率を無くすべくサービスを展開する注目のスタートアップ、株式会社ZUU 代表取締役社長兼CEOの冨田和成氏に話を伺った。

消費者が搾取されないための金融知識を高めるメディア

-証券会社でトップセールス最年少記録や、海外駐在、ビジネススクール留学など、活躍されていた冨田さんが起業した理由を教えて下さい。

冨田:金融業界の非効率、そして非対称性から生まれる圧倒的な売り手(金融機関側)優位の状況をITで解決したいと思ったからです。
私は学生時代にソーシャルマーケティングで起業を経験しており、野村證券で経験を積んでから独立したいということは考えていました。

-非対称性から生まれる売り手優位の状況とは?

冨田: ITがこれだけ進歩している時代において、金融商品はまだまだ売り手優位で対面販売が多数を占めています。 情報を持っている売り手側が消費者から手数料をもらって商品を販売しているのです。
我々は消費者が不利にならないように、資産家の方と資産運用や資産管理のプロをネット上でマッチングするサービスを始るために準備を始めました。
その後、消費者自身のリテラシーレベルを上げるべく、金融情報を発信するウェブメディア事業をスタートし、インターネット上で「お金についてわかる場」の提供を目指しています。

-消費者のリテラシーが高まることのメリットとは?

冨田:お金に関するリテラシーが低い消費者がリテラシーを高めることで、金融機関に搾取されない、そして効率的に資産を運用できるようにしたいと思っています。
資産運用が効率化されることで、お金がもっと市場に出回り、経済を活性化する働きも生まれます。
特に、我々は「富裕層」の少し下の層「エグゼクティブ層」のリテラシーを高めたいと思っています。
「エグゼクティブ層」とは金融資産で3千万円~5億円程度持っている中流層のことで、富裕層ではないエグゼクティブ層に対して金融機関はあまり手間をかけませんから、自身のリテラシーを高めて資産運用をするほうが効率的なのです。

時価総額100兆円を目指す!グローバルへのチャレンジ!

-米国の金融情報を発信する「ZUU online US」や外国人投資家向けの日本の不動産情報サイト「Tokyo Premium Real Estate」など、英語での情報発信にも力を入れられているようですが、御社のグローバル戦略とは?

冨田:私の目標は2038年までに時価総額100兆円まで成長することです。日本のマーケットだけでは限られていますから、世界で事業を展開するしかありません。
近年「タイムマシーン経営」ということで、先進国の技術やノウハウを、発展途上国に持っていくというやり方が主流になっていますが、我々はあえて逆に金融先進国であるアメリカやイギリス、シンガポールなどへの事業展開を考えています。
我々の作ろうとしているような、消費者向けの金融プラットフォームはまだ世界に類似サービスがあまりないので、成熟した金融市場のユーザを集めに行きたいのです。
その第一歩として「ZUU Online US」で米国の金融情報を米国向けに発信して、現地のユーザを集めています。
次のステップとしては実際に米国に進出してオフィスを構えたいと思っています。

-既に米国でのサービスを展開されているうえで、物理的に米国へ進出するメリットとは?

冨田:現地に行かないとわからない「ユーザの生の声」を聴くためです。実際に現場にいないとわからないことが多く、ビジネスをするうえでユーザの生の声は重要だと考えているからです。

月1回のEnglish Day。身のまわりを全て英語化して生きた英語を身に付ける

-冨田さん自身はシンガポールやタイへの駐在経験があるとの事ですが、社内でグローバル人材育成のために取り組んでいることはありますか?

冨田:日本人以外の社員を採用するなど、多様性のある職場環境を作っています。また、月に1回「English Day」として、1日英語しか使ってはいけない日を作っています。
英語を学ぶには身のまわりのもの全てを英語化するくらい本気で取り組まないと英語を学ぶことはできませんよ。

-公用語の英語化には賛否両論ありますが、御社でのEnglish Dayの取り組みの状況はいかがですか?

冨田:短期的に見ればマイナスです。仕事効率は悪くなりますから。しかし長期的にみるとこの活動がプラスになると考えています。
今はまだ日本中心で仕事していますから日本語を使わないと仕事効率が下がりますが、将来を見据えると英語で仕事ができることでその何倍も効率が上がりますし、グローバルに仕事ができることのメリットのほうが圧倒的に大きくなります。
人材の育成は短期的な結果ではなく、長い目で見なければ成功しません。



冨田和成

冨田和成(とみた かずまさ)さん
株式会社ZUU 代表取締役社長兼CEO

神奈川県出身。
一橋大学在学中にIT分野で起業。
2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。
本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。
2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。

ご紹介者




日比俊也

【冨田社長をご紹介頂いたのはこの方】
日比俊也(ひびしゅんや)さん
株式会社ブライツ・アンド・カンパニー代表取締役社長 兼
株式会社ブライツコンサルティング コーポレート運営本部長
日比社長の記事はコチラ

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