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中野敬子

イギリスの大学院で国際安全保障を専攻後、防衛庁(現防衛省)に勤務し、日本人初の米国国防総省(ペンタゴン)への派遣勤務を経験した中野敬子さん。自身の経験をもとに日本人を「Activate」すべく、新しい語学学校を設立し奮闘中の中野さんに話を伺いました。

「英語+専門知識」を活かして防衛省に入省

-英語スクールを立ち上げる前は、防衛省で約15年間国際関係の業務をされていたとの事ですね。

中野:私は大学卒業までずっと日本で教育を受けたのですが、当時は米ソ冷戦時代で安全保障の問題に凄く興味を持っていました。
大学では国際政治を学んだのですが、もっと深く国家の安全保障を学びたいと思い、卒業後に英国国立ロンドン大学LSE(ロンドンスクールオブエコノミクス)とキングスカレッジ大学院に留学し、安全保障の専攻で修士課程を修了しました。
その留学経験を基に、日本の安全保障に貢献したいとの思いから防衛省に入省しました。

-日本人で初めてペンタゴンに派遣された方とお聞きしましたが、どのようなキャリアを積んでこられたのでしょうか?

中野:留学経験で得た英語力と、一貫して安全保障を学んできたことが評価され、入庁2年目で防衛大臣や政府高官の通訳に大抜擢されたのです。
国際会議や会談など、国家や国民の安全に関わる通訳という責任ある仕事でした。
会議の場合は、事前に話し合われる内容がある程度調整されているので、事前準備できることもあるのですが、会談の場合は予定になかった話題が突然でてくることもあり、常に緊張の連続でした。

-とても重大なお仕事だと思うのですが、専門的な英語の通訳はどのように学ばれたのでしょうか?

中野:少しのミスも許されないので、毎日世界のリーダー達のスピーチを聞いたり、各国政府のプレスリリースやニュースをとことん読んで、研究しました。
もちろん大学院留学で得た専門知識や経験もとても役に立ちました。
ただ英国留学する為にIELTS®という英語試験で高得点を取得していたのですが、実際に留学してみると、英語コミュニケーション力は全く役に立たないレベルであることも痛感し、修士課程を修了するためにも、本当に武器となる英語力を身につけるために苦労したのが忘れられません。

“Active”なコミュニケーション能力を養う

-ペンタゴンで働いてみて、日本との違いなどはありましたか?

中野:同じ政府機関の仕事なので、ペンタゴンでも防衛省でもレベルやスケールの違いこそあれ、組織としての意思決定プロセスなどがあまり変わりないことには驚きました。ただ、働いている人たち個々の思考には日本と決定的な違いがあると感じました。
彼らの思考が常に「Active」なことに衝撃を受けました。結果として、組織全体のパワーは底知れぬものを感じました。

-「Activeな思考」とは?

中野:「Activeな思考」とは、仕事に限られたことではなく、日常生活においてももちろんのことです。
私を含め日本人の場合は、人から質問されて初めて「どう答えようか?」と考え始める人が多いと思います。ペンタゴンでは常に思考をActiveに稼働させているからこそ、聞かれるよりも先に答えることできているのだと感じました。
英語での会話にユーモアがあふれているのも、思考が常に「Active」だからなのだと思います。

-ペンタゴンでのお仕事で苦労したことは?

中野:日本人初の派遣人材だった為、全てが初めてでペンタゴンの受け入れ態勢が整っていなかったことです。とにかく日本代表として存在感を高め、信頼を得ること、そして次の人たちにバトンを繋げるように頑張りました。
派遣期間が終わる最終日に、職場の仲間たちからサプライズで「君はいつまでも我々チームの一員だ」とのメッセージとペンタゴンの形をしたプレゼントをもらいました。パイオニアとしての苦労は尽きませんでしたが、努力が報われた瞬間でした。

-ご自身の海外経験が今どのように活きていますか?

中野:私は幸運にも世界各国の多くのリーダーたちに出会う機会を持つことが出来ました。彼らは明るくポジティブなエネルギーにあふれ、言語や国籍にとらわれない自由なコミュニケーション力を持っていました。
私も含め、日本人はどうしても文法などの技術的なことにとらわれて、まだまだ自由なコミュニケーションを苦手としている人が多くいます。
私は自分の経験をもとに、より多くの日本人に自由でActiveな英語コミュニケーションを身につけて欲しいとの強い願いから、独自のプログラム「イングリッシュ・コア©」を開発し、語学学校を設立しました。
日本人が世界で活躍できるよう、真の英語コミュニケーション力の獲得を全力でサポートしていきます。



中野敬子

中野敬子(なかのけいこ)さん
DLSダイアモンドランゲージスクール 校長

英国国立ロンドン大学大学院にて修士号取得。1998年防衛庁(現防衛省)入庁。防衛大臣及び多数の高官の国際会議における通訳を務める。国際広報、国際情勢分析等の分野も含め、15年間一貫して国際関係業務に従事。2011年に、アメリカ国防総省(ペンタゴン)にて勤務。2013年防衛省を退職し、2014年6月にDLSダイアモンドランゲージスクールを開校。

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