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中野邦人

生産から店舗運営まで、飲食業界の川下から川上までのサービスを展開し、飲食業界に新しい価値を与え続ける株式会社あどばる。国の成長戦略に基づき、日本の魅力を海外に発信するクールジャパン構想の一環としてシンガポールへ日本の食文化の輸出も予定している。同社の代表取締役 中野邦人氏に話を聞いた。

ワンストップサービスで食の6次産業化

-飲食業界に特化したサービスを展開されていますが、元々飲食業の経験があるのでしょうか?

中野:もともとは不動産と金融業界にいました。金融の会社では富裕層向けの資産コンサルティングなどに関わっていました。
もともと趣味で外食に興味があり、食に関するビジネスで起業を決めた際、不動産と金融の経験が役立つ事業は何かと考え、飲食業に不可欠な「物件」と「資金調達」の2つの観点でスタートしました。

-現在は不動産と金融だけでなく、契約農家の生産支援から流通、そして実際の店舗運営までをワンストップサービスとして様々な事業を展開されていますね。

中野:現在、日本の飲食店舗数はオーバーストアーと言われており、外食市場は年々縮小を続けています。
さらに、優秀な若手経営者の台頭や大手飲食店グループの業態力強化と効率化が進み、数年同業態でヒットが続くこと無く、旬の経営者の寿命がどんどん短くなっているように感じています。
今後さらに激化するこの競争を勝ち抜くためには、事業を最大限効率化する必要があります。
当社では才能ある飲食運営者と組み、飲食業界で真の「ボランタリーチェーン」を展開し、川上から川下までの六次産業化を目指しています。飲食に必ず必要な人材供給、効率化を追求した集客販促を実施しこの競争に勝ち抜こうと思っているのです。

オールジャパンでシンガポールに日本食の屋台村を作る

-日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓を支援する官民ファンド「クールジャパン機構」との協働でシンガポールに日本の食文化を輸出すると聞きました。

中野:シンガポール伊勢丹内に20店舗弱の日本食レストランが出店する「屋台村」を作る予定です。
国の成長戦略として打ち出されている「クールジャパン構想」は「日本の魅力(クールジャパン)」を事業化し、「メディア・コンテンツ」、「食・サービス」、「ファッション・ライフスタイル」の分野で海外需要の獲得につなげるというものです。
今回のシンガポールでの事業は、その「食」の海外展開の足掛かりとなります。

-日本食は海外でも広く受け入れられるでしょうか?

中野:和食は既にとても人気があり、需要が高まっています。特に「すし」と「和牛」が有名です。ただ、多くが「日本風」であり「日本食」ではないのです。まだ本物が届けられていないと感じています

-シンガポールを最初の展開先に選んだ理由は?

中野:成功率が高いと判断したからです。日本と文化の近いアジアの中でシンガポールは富裕層が多い。
食の品質や安全面にも意識の高い富裕層向けに成功すれば、ASEAN周辺への展開も見えてくると考えています。

飲食店に関わる全ての人の幸せを創造する

-シンガポール以外の国への展開も考えているのですね?

中野:シンガポールが成功すれば、マレーシアやハワイ、ロンドン、ニューヨークなどにも同様に日本の食文化を輸出する活動を拡げていきたいと思っています。
また、日本食を輸出するだけでなく、海外からの訪日外国人に対してのビジネスも考えています。
今年3月にレンタルスペースの検索サイト「スペなび」事業を譲り受け、空きスペースを貸し出したい人と、借りたい人のマッチングを行っています。現状は、飲食店舗の非稼働時間の有効活用がメインですが、将来的には訪日外国人にもサービスができればと考えています。
日本の中で一番旅館が多いのは実は東京都だということはご存知でしょうか?
温泉街でもない東京に旅館がそんなにあるというのはあまり知られていないことですが、実は小規模な旅館がたくさんあります。
外国人旅行者が日本滞在中に使うお金はだいたい10?15万円と言われています。少しでも安く宿泊して、レジャーや食事にお金を使いたい人たちも多いはずです。
不動産のノウハウを活かし、スペースの有効活用で外国人観光客のニーズに応えたいと思っています。

-国内外の両面からグローバルに展開を進めているのですね。今後のグローバル展開を見据えて社内で取り組んでいることなどはありますか?

中野:グローバルに対して特別な取組みをするのではなく、自分たちの持っている強みを最大限生かせるビジネス展開を考えています。
弊社は「飲食業」と「不動産業」に関してのノウハウが強みなので、自分たちの強みがブレないようにすることです。



中野邦人

中野邦人(なかのくにひと)さん
株式会社あどばる 代表取締役 

東洋大学を卒業後、株式会社モリモトに入社。不動産投資事業に携わったのち、株式会社LEXINGTONに入社し、個人富裕層の資産コンサルティング業務やプライベートファンド組成等の投資スキーム構築に携わる。
その後、グループ会社にて5スターホテルであるTrump Tower Waikiki等の海外の高級ホテルの事業開発や投資でグローバルビジネスを経験。2008年に株式会社あどばるを設立し、食に関するワンストップサービスを展開している。2015年3月より、貸しスペースのマッチングサービス「スペなび」事業をスタート。

ご紹介者




冨田和成

【中野社長をご紹介頂いたのはこの方】
冨田和成(とみたかずまさ)さん
株式会社ZUU 代表取締役社長 CEO
冨田社長の記事はコチラ

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