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杉本光生

インターネットを通じて企業の戦略的IR活動をサポートするインベスター・ネットワークス。インターネット上で全ての投資家と上場企業が交流できる場を作り、効率的な株式市場の実現を目指す、代表取締役 杉本光生氏に話を伺った。

挫折をバネに!起業までの軌跡

-IR活動のサポートという事業に目を付けて起業したのはなぜですか?

杉本:私は新卒でリクルートコスモスという不動産会社に入社して、リゾート物件を担当しました。しかし私の入社後すぐにバブルが崩壊し、リゾート物件がまったく売れないという事態を経験しました。社会に出てすぐに挫折を経験したのです。
その後、創業直後でまだ社員も数人しかいなかった、人材サービスのインテリジェンスに入り、経営陣の方々と一緒に泥臭い営業を経験しました。
IR業界に入ったのは本当に偶然で、インテリジェンスに在籍していた時に、たまたまリクルート時代の先輩からIRコンサルティングの会社を紹介されて、経営者の方々にお会いしたら、その場で内定を頂いてしまい、IRコンサルタントに転身することとなりました。
その後、トップセールスとなり、他の会社に移って取締役まで経験し、自分で会社を興すに至りました。

-取締役という立場を捨てて、同業界で起業した理由とは?

杉本:当時ITバブルだったということもあり、私の強みであるIRの知識を活かしてインターネットを使ったビジネスをやりたいと考えたからです。

株主は誰?自分の会社の株主を見える化

-御社のIRサービスについて教えて下さい。

杉本:弊社のサービスは大きく分けて2つ。上場企業向けの(機関投資家・アナリストDBサービス)のBtoBサービス。それと、個人投資家向けのBtoCサービスがあります。
創業当時はまずIRコンサルティングをメインにし、そこで作った資金をもとに、「IR-navi」というBtoBのインターネットサービスを立ち上げました。IR-naviはインターネット上で詳細な機関投資家情報が把握できるASPサービスとなっています。
国内全ての上場企業、海外主要企業に関する、約32,000社の国内外機関投資家による株式保有状況の確認や、決算説明会や投資家ミーティングの運営・管理が出来るシステムです。 上場企業のクライアントから「弊社の株を誰が買っているのか知りたい」という声からIR-naviが生まれました。
2004年の創業当時はこのようなシステムが世の中に無かったため、株主名簿を見ても「信託名義」と一括りにされたリストしかなく、実際にどの金融機関がどれくらい株を保有しているのかが分からなかったのです。
IR-naviは全ての株主情報を閲覧できるだけではなく、その金融機関は他にどんな企業の株をどれくらい保有しているのかを見ることもできます。 
さらには世界中の約10万人のファンドマネージャーやアナリストのリストに英文のニュースリリースを送ることも可能。日本最大級のインターネット上のIR支援サービスとなっています。

特許を取得!「株主管理装置」

杉本:もう一つのサービスは「株主ポイント倶楽部™」という個人投資家向けのポイントサービスです。
このサービスは「株主管理装置」という名前で特許を取得済です。
上場企業の多くは株主優待制度を実施しております。株主に対して、自社のサービスの割引券や特典を差し上げるという制度なのですが、この制度の場合、毎年同じものが送られることが多いうえに、多く株を保有していても、少なく保有していても優待が大きく変わることはありません。
そこで弊社は株主優待をポイント化し、そのポイントを様々な製品や食品、サービスなどに交換できる株主優待ポイントサービスの実施を始めました。
株主ポイント倶楽部™をご利用頂いている企業、投資家の方々からはかなり好評を頂いており、実際、個人株主が1000人以上増加したとか、出来高が増加し株価が1.5倍まで上昇したなどといった嬉しい報告もあがってきています。
このサービスでは、株主総会での議決権行使の案内なども全てオンラインでできるようになる予定です。議決権行使はほとんどの企業が郵送で案内を送り、膨大な費用と手間をかけているにも関わらず、2割程度の株主しか議決権行使を行いません。手間がかかり面倒なうえに、行使するメリットが無いからです。
しかし、オンラインで議決権行使に参加することで我々は株主ポイント付与というインセンティブを付けることが可能になります。企業側とすれば、オンラインで手間とコストが軽くなった分を株主に還元できる。投資家としてもポイント付与されるとなれば参加率も格段に上がります。

日本の10%の個人資産が投資されれば日経平均は3万円を超える

-事業を通じて実現したい事や夢はありますか?

杉本:株式市場を活性化して、勢いのある日本を取り戻したいですね。
資本市場において、株価を決めるのは1.外国人投資家 2.国内の金融機関 3.個人投資家の3者が主役と言えます。この中で、日本の個人金融資産は1,600兆円を超えると言われています。
東京証券取引所に上場している企業の時価総額を全て足しても500兆円と言われているので、日本の個人金融資産を集めれば東京証券取引所を3つ買い取れる計算になります。 個人的には、この個人金融資産の10%にあたる160兆円でも新たに日本の株式市場に投資されれば、日経平均株価は3万円を超えるに違いないと思っています。
2015年の年初時点で日経平均は1万5千円前後あたりですから、その2倍の3万円を上回れば、とてつもない経済効果を生み、70年代、80年代のような活気を取り戻すのではないでしょうか。
弊社のサービスは株価を決める3つの投資主体といわれる個人、外国人、国内機関投資家が、インターネット上でコミュニケーションでき、マーケティングできるプラットフォームを目指しています。
これが実現できれば世界でも初のサービスになります。

杉本光生

杉本光生(すぎもとみつお)さん
インベスター・ネットワークス株式会社 代表取締役社長

同志社大学商学部卒。株式会社リクルートコスモス、株式会社インテリジェンスを経て、IRコンサルティング会社に入社し、その後、株式会社ストラテジック・アイアールの経営に参画。2001年合併による新会社ジー・アイアールコーポレーション株式会社取締役に就任。 2004年10月、インベスター・ネットワークス株式会社を設立し代表取締役社長に就任。15年に及ぶIRコンサルティングの経験を活かし、効率的なIR活動の実現を目指して、IRナビゲーションシステムを考案・プロデュース。
著書に、『インターネットIR戦略入門』(共著/東洋経済新報社)、『新規公開・上場のためのIRコミュニケーション戦略マニュアル』(共著/中央経済社)、『貧血日本』(ダイヤモンド社)がある。

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