特集

Conyac

ネット上でスピーディーに翻訳が依頼できる、注目の翻訳クラウドソーシングサービス「Conyac(コニャック)」。自身の留学経験をキッカケに、Conyacのサービスを展開する株式会社エニドア代表取締役社長の山田尚貴さんに話を伺った。

たまたま読んだ雑誌がキッカケでアメリカ留学へ

-米国の大学への留学経験があるとの事ですが、海外留学を目指した理由は?

山田: ある日たまたま本屋で留学に関する雑誌を目にして突然留学を決意したので、留学に行こうと決めていたわけではなかったのです。
当時予備校に通って大学受験準備をしていたのですが、留学情報誌を買ったその日に予備校を辞めてアメリカに行く準備を始めました(笑)

-予備校をすぐに辞める行動力が凄いですが、そこまでしてアメリカでやりたいことがあったのでしょうか?

山田:漠然としたアメリカの大学生活への憧れだったのですが、具体的に何がしたいということはありませんでした。日本という小さな枠組みから出てみたいという欲求だけでした。

-大学卒業してすぐに独立されたのでしょうか?

山田:実は学生時代に大学の友人と一緒に起業しようとして準備していたのですが、自分があまりに母国日本について知らないことが多すぎることに危機感を感じ、一度日本で就職して経験や知識をつけることにしました。
卒業後に旅行代理店で働いて、その後NTTグループでエンジニアとして働きました。 伝統的な日本の企業で経験を積むだけでなく、技術力も身に付けたかったのです。 アメリカの大学でも「日本の経営手法や哲学は世界的にもとてもユニークなものだ」と言われており、日本の会社で学びたいという気持ちも強かったと思います。

現場経験から生まれた翻訳のクラウドソーシングサービス

-学生時代の起業でも翻訳サービスを考えていたのですか?

山田:その時は、宿泊施設を貸し出す人と借りる人を結びつける「Airbnb(エアービーアンドビー)のようなサービスで、現地での経験を旅行者にシェアできるというサービスでの起業を考えていました。

-その後翻訳のクラウドソーシングで起業した理由とは?

山田:エンジニアとして働いていた時に、機器やソフトを扱うエンジニアにはたまに英語のマニュアルを読むスキルが必要でした。
世界中の新しい製品のマニュアルをいちいち日本語訳している時間が無いですし、全部翻訳していたら膨大な費用もかかります。ほとんどのエンジニアは自分の専門分野であればある程度英語を読む力はあります。しかし難しいものになると英語が得意な人に翻訳業務が集中してしまうこともあります。
そんな時に「気軽にちょっと翻訳をお願いできるサービスがあれば良いのに」と思ったことがキッカケです。一緒に起業した者も同じ体験をNTTでしていました。

-起業を目指されていたとはいえ、大手企業に就職してから辞めるという決断は難しくなかったのですか?

山田:独立するキッカケの一つは、インドでの研修に参加したことです。現地で活動するNPO団体などと一緒に行動したのですが、その際にインドの「児童労働」の現状を目の当たりにしました。貧困の家庭では子どもに教育を受けさせることができず、小さい頃から働きます。その子達が大きくなって子どもが出来ても同じことが繰り返されているのです。
そんな中で、インドの子ども達に話を聞くと、エンジニアに憧れている子ども達がたくさんいたのです。インドではエンジニアは憧れの職業の一つ。しかし教育を受けられない子ども達にとってエンジニアになることは不可能に近い。
「経験を積みたい」という理由でエンジニアになった私はとても申し訳ない気持ちになるとともに、とても恵まれた環境にいるのだと気づかされ、研修から帰国した後、会社を辞めて自分のやりたい事を実現するために独立する道を選びました。

働きたい職業で働ける幸せを世界中の人たちに!

-御社の翻訳サービスの特徴は?

山田:スピーディーな対応はもちろんですが、翻訳以外にも海外業務全般をトータルでサポートできることです。 私が留学したばかりの頃、現地でコミュニケーションギャップに悩んだ時期がありました。それは語学力だけでなく文化の違いも含めたギャップです。
共通の言語でコミュニケーションできることは大事ですが、言語さえ出来れば通じることばかりではないのです。
Conyacではそんなコミュニケーションギャップを解決できるようなサービスとして、翻訳だけではなく、現地の情報や調査なども含めたトータルサービスを提供しているのです。

-今後のサービスの展開は?

山田:既にアメリカには子会社があるのですが、今後他の国にも積極的に進出してきます。クラウドソーシングはインターネット上で完結するサービスですが、実際に仕事を依頼して下さる企業などはリアルなビジネスを行っており、我々も現地で仕事をすることでサービスの質を上げ、信頼されるサービスを作りたい思っています。

-山田さんご自身の将来の夢は?

山田:働きやすい世界を作りたい。家庭環境などに制限されず、働きたい職業で働けるという、職業選択の自由を世界中の人たちが持てるような世界を作りたい。クラウドソーシングにはそんな大きな可能性があるのです。



山田 尚貴

山田尚貴(やまだなおき)さん
株式会社エニドア 代表取締役

2003年、米パサディナ市立大学卒業。05年、米カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業(起業経営学、会計学専攻)。05年、アルペントラベル入社。06年、NTTPCコミュニケーションズにSEとして入社。
09年、エニドアを設立。クラウドソーシングによる翻訳サービス事業を手がける。
昨年9月には、ウェブサイト翻訳マネジメントツール「Conyac Front」のβ版をリリースし、既存サービスとITを組み合わせた、低価格の新しい翻訳ソリューションを打ち出した。
今年2月にはバイリンガルに直接色々と仕事を依頼できる「Conyac Market」をリリースした。

ご紹介者




太田英基

【山田社長をご紹介頂いたのはこの方】
平皓瑛人(たいら ひろあき)さん
グーパ株式会社 代表取締役 
平社長の記事はコチラ

«前の記事へ |  特集一覧  | 次の記事へ»

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます