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高校入学から大学卒業までにかかる費用は1,000万円とも言われている。グローバル化で留学や海外体験も当たり前になる昨今、教育資金について様々な選択肢を知っておく必要があるだろう。選択肢の一つとして国の教育ローンを提供する日本政策金融公庫の秋山彰さんに話を伺った。

海外留学資金の融資実績が過去6年間で最高に

天野:まずは教育ローンとはどういうものなのか教えて下さい。

秋山:教育ローンとは金融機関が個人を対象に資金を貸し付けるローンのことで、使途を「教育資金」に限定したサービスです。

天野:国の教育ローンが出来た背景とは?

秋山:昭和54年に、教育の機会均等や家庭の経済的負担の軽減を目的として、当公庫が「国民金融公庫」だった時代に「国の進学ローン」という名前で始まりました。当時の使途は「入学資金」のみで、ご融資の限度額は50万円となっていました。
そこから時代背景に合わせて制度も変わり、平成3年度には入学資金だけでなく在学資金も取り扱えるようになり、平成7年度から留学資金もご利用頂けるようになりました。

天野:グローバル化が進む中で制度自体も変わっているのですね。

秋山:融資実績としても海外留学資金は、平成25年度に大幅に伸びました。
特に留学のために必要な資金は国内よりも高い傾向にありますので、制度を拡充させて、留学資金として幅広くご利用いただけるように対応しております。
具体的には下記3点が変わりました。
(平成25年5月-)

1.海外留学資金として利用する場合の世帯年収(所得)の上限額を拡充

2.修業年限が原則6ヶ月以上の教育施設が対象だが、大学等への入学を条件とした3ヶ月以上の語学留学なども対象に(平成26年6月?)

3.融資限度額の拡充(300万円だった上限が、1年以上の大学留学資金であれば450万円まで可能に)

また、使いみちとしても入学金や授業料だけでなく、住居にかかる費用や教科書代、そして留学生に対してはビザ取得料など様々な用途に対応しています。

子どもに留学させたい 52.7%、留学費用が障害に 94.8%

秋山:私達が平成24年に実施した留学に対する意識調査で「子供を留学させたいですか?」という質問に対して、留学させたい14.8%、条件が合えば留学させても良い37.9%と、留学に対して前向きな家庭が過半数という結果が出ました。

天野:日本人の留学生数は2004年以降大幅に減少していますが、実際は留学に行かせたいと思っている人が多いということでしょうか?

秋山:意識調査では「子供を留学させるうえで重視すること、障害になること」という質問もしました。先ほどの留学に前向きな家庭の52.7%のなかでは、子供の留学意志79.7%、留学費用77.6%、留学先の治安59.0%という結果に。
そして、留学に後ろ向きだった家庭に関しては、94.8%が留学費用が障害だと思っているという結果になったのです。

天野:若者の内向き志向ということが言われていますが、経済的理由が外に出にくい意識や雰囲気を助長しているのかもしれないですね。

お金が理由で進学できない人を減らしたい

天野:教育ローンのメリットを教えて下さい。

秋山:その前に教育ローンと奨学金の違いについて少し理解して頂く必要があります。学生本人を利用対象としている奨学金に対して、教育ローンは保護者が対象です。
国の教育ローンの場合、お申込みはいつでも可能で、融資は1年分をまとめて受けることができます。
その為、急にまとまった教育資金が必要になった場合などにも対応できるようになっています。
また、返済期限を15年とし、在学中は利息のみの返済も可能となっています。
その他、母子家庭や東日本大震災の被災者の方などは返済期限や利率が優遇されます。

天野:グローバル化が進む中で、教育ローンの必要性も増えていきそうですね。

秋山:安倍政権の掲げる2020年までに日本人留学生数を2倍にするという目標を考えると、今後さらに留学資金として活用されるケースが増えるかもしれません。 専用のコールセンター(0570-008-656)も設けておりますので、教育資金で悩まれている場合は一つの選択肢として気軽にご相談頂ければと思います。

秋山

秋山彰さん
日本政策金融公庫 国民生活事業本部 生活衛生業務部 教育貸付グループ グループリーダー代理

編集後記

私自身がアメリカに留学していた時よりも、アメリカの学校の学費が上がっている。為替の問題ではなく学費自体が高いという事態がでてきているのだ。
また様々な国でも物価が上がっており、日本円に換算すると生活費がとても高くなってしまう場合が多い。
しかし日本の平均所得は減っている。
留学をすることが今後もっとあたりまえの事になっていくことを想定すると、保護者は様々な準備をしておかなければならないだろう。
国の制度で一人でも多くの人が留学に行きやすい環境を作ってもらいたい。

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