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デヴィ夫人に聞く! 日本のあるべき姿とは
世界で最も有名な日本人女性の一人、デヴィ夫人に、今の日本と日本人について思うことをズバリ聞いてみ た!

愛国心を持つことは危険思想かしら?

天野:19歳でインドネシアのスカルノ大統 領夫人となり、その後、フランスに亡命。ニューヨークでは国連環境計画の特別顧問として活躍されました 。デヴィ夫人ほど国際的に知られている日本人女性はほかにいないと思いますが、夫人は今の日本をどのように感じておられますか?

デヴィ夫人(以下、夫人):外国に暮らして40年ぶりに日本に帰ってきたとき、私の大好きだった日本はどこに行ってしまったのと大きなショックを受けました。日本人の奥ゆかしさ、礼儀、思いやり、それらはいったいどこに消えてしまったのでしょう。  何よりも驚いたのは、祝祭日にも国旗を掲揚しない、国家を歌わない。「君が代」を知らない若い人もいるという。昔はどこの家にも国旗がありましたし、国旗掲揚のときには必ず起立して国家を歌ったものです。 「日の丸」「君が代」というとすぐに軍国主義や第二次世界大戦に結びつけて批判する人がいますが、自分の国を誇ることのどこがおかしいのでしょうか。国旗に敬意を払わない、自国の国家を歌わない国民は日本人だけです。グローバル・スタンダードの観点から見てもこれは私には異様なことに思えます。

このままでは  日本は崩壊しますよ !

夫人:日本人が人間らしい心を失っている ことも驚いたことの一つです。昔は、親は身を挺してでもわが子を守ったものです。
ところが最近は、実の親がわが子を虐待死させる、餓死させる、凍死させる。このようなことを日本人がしている。とても恥ずかしいことです。インドネシアの人が聞いたらびっくりするのではないでしょうか。子どもは国の宝です。そういう意識がなくなっている。

 お年寄りの孤独死が増えていることも見過ごせないことです。日本のよき家族制というものが失われてしまったせいです。このままでは日本は崩壊しますよ。
みんなが自己中心主義に陥ってしまって、身勝手な日本人が増えている中で、かろうじて日本という国がまとまっているのは、天皇陛下という扇の要があるからこそ。日本皇室は世界で最も長い歴史を持ち、世界各国が日本の天皇には深い敬意と憧れを抱いています。天皇制がなくなったら日本は完全にばらばらになりますよ。

税金の無駄遣いには  本当に腹が立つわね!

天野:3.11の東日本大震災のときにも、天皇陛下の慰問は多くの方々の心の癒しになりました。

夫人:3.11といえば腹立たしいのは、菅内閣が被災者の就労のためにと各都道府県に2000億円、一県につき40?50億円というお金を投じました。それがとんでもないことに使われていたのです。
鹿児島ではタニシ駆除に478万、ウミガメの保護監視に300万、鳥取では「国際まんが博」PRのためご当地アイドルを結成、その人件費に4000万、兵庫ではサル被害の防止対策に900万、こうのとり出会いサポーター設置事業に9500万……。被災者支援とは全く関係ないところに莫大な税金が使われていたのです。

復興が遅れるはずです。家を失った方に家、船を失った方、農地や農具を失った方々に、直接現金を渡したほうがよっぽど被災者の支援になったのではないでしょうか。考えるだけで怒りが込み上げてきます。

中国、韓国に対して一喝できる政治家はいないのかしら?

天野:デヴィ夫人は、日本の政治に対して、ブログでも歯に衣着せぬ批判をされていますね。

夫人:そもそも今の日本がダメなのは、第二次世界大戦の敗戦による自尊心の喪失、罪悪感、贖罪の気持ちから未だに立ち直っていないことに起因すると思います。

 故スカルノ大統領はマッカーサー元帥のことを「真の勝利者だ」と言っていました。その真意は、アメリカは第二次世界大戦によって、日本という国を物理的に壊しただけでなく、精神をも壊してしまったからだ と。竹やり一本でも戦うという日本人の強靭な精神こそをアメリカ人は最も恐れていました。それをつぶしてしまったと、彼は嘆いたのです。

 尖閣諸島、竹島、北方領土問題も日本の政治家が誰一人反論できないのも情けないことです。尖閣諸島も、竹島も、北方領土も日本固有の領土なのです。歴史をひもとけばちゃんとわかることです。学校できちんと正しい歴史認識を教えるべきです。慰安婦問題にしても、だれも反論しないから、世界中から日本人は誤解をされ、批判され放題になっている。外務省はきちんとHPに書いていると言いますが、誰がそんなものを読んでくれるでしょうか。ちゃんと世界に向けて主張していかなければダメでしょう。
 靖国神社の参拝についても中国や韓国にとやかく言われることではありません。靖国神社参拝は、日本人の心、歴史、文化なのです。なぜ日本の政治家は「内政干渉をするな」と一喝できないのでしょう。

 グローバルな人間とは、自国の歴史について知り、それを他国にきちんと伝えられる人ではないでしょうか。

世界に通用する英語を教えなければ恥をかきますよ!

天野:グローバル人材の育成は教育現場でも大きな課題になっています。英語力だけでなく、正しい歴史観や日本文化を伝承することも大事ですね。

夫人:小学校の英語教育についても、母国語ができないうちから英語を学ばせるのはいかがなものかと反論する方々がいますが、インドもブータンもネパールも、学校は母国語ではなく英語を使っています。
中国、韓国の政治家の英語レベルは日本よりはるかに上です。ビジネスでも日常生活でも既に多くの英語が使われているのに、なぜ今さら日本が反対するのかわかりません。

 グローバル・スタンダードという面で一つ気になるのが、外来語が本来の英語の発音ではなく日本語的な発音で広まってしまうこと。たとえば、カナダのエンターテインメント集団「シルク・ド・ソレイユ」は、本来はフランス語で「サーク・ド・ソレイユ」と発音します。

 中国人や韓国人の漢字名に日本語読みのふりがなをつけるのも疑問です。たとえば中国の国家主席、習 近平は正しくはシー・チンピンと読むのに、日本では「しゅう きんぺい」とふりがながふってある。こんな読みは世界で通用しません。

 以前、大変な恥をかいたことがあります。あるパーティで、「すん やっせん」という人物が話題になっていたのですが、「すん やっせん」なんて聞いたことがない。私はかなり読書家だと自負していますし歴史についても勉強していたので、わからないことがあるなんてショックでした。
「それは誰のことですか」と聞くと「あなた知らないの」とひどく驚かれました。話の内容からどうやら孫文のことだとわかったのですが、日本人は「そんぶん」としか知らない。そんなことなら最初から正しい発音で教えればいいのです。

確固たる国家観を持ち、日本国民として誇りを持つこと

天野:日本をよくするために、今一番大切なことは何でしょうか。

夫人:まずは小さいうちから、子どもに善悪をしっかり叩き込むことです。それから、今、日本人に一番必要なのは、確固たる国家観を持ち、日本国民として誇りと自信を持つこと。

 日本は深刻な少子化で、大量の外国人労働者を受け入れなければ日本という国が維持できないところまで来ています。外国人の受け入れに異を唱えるつもりはありませんが、平和ボケでぼやぼやしていたり、英語力がどうのと言っているより先に、日本という国がなくなってしまうでしょう。
沖縄ではすでに、主要な産業は中国や台湾の資本下になっています。気がついたら日本の領土が日本でなくなっていたということだってあり得るのです。

 若い人たちには、内向き志向のままでいないで、もっと危機感を持って、世界情勢にも目を向けてほしいと思いますね。

デヴィ夫人

ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノさん
東京麻布生まれ。19歳でインドネシアのスカルノ大統領の妻となり日本とインドネシアの友好に努める。クーデターにより大統領は失脚。
パリに亡命し社交界で「東洋の真珠」とうたわれる。以後約40年間海外で暮らす。
現在は環境問題、破壊されゆく地球の保全、難民救済支援、動物虐待防止など精力的に活動。
人間社会環境に愛がいかに大切かを説きたいと願っている。夢は、大きな山を買って捨てられた動物たちとともに暮らすこと。

編集後記

私は留学先で様々な国から来ている留学生達とも多く知り合ったが、日本人は確かに愛国心や自国への誇りがあまり強くないことがわかった。
愛国心というと過激なイメージを持つ方もいるかもしれないが、決して他国を攻撃するようなことではなく、自分自身のアイデンティティに誇りを持つことができれば、相手をリスペクトすることもできるだろう。
デヴィ夫人のお立場で世界から日本を見てきたからこそ余計に強く思っているのかもしれない。
テレビのイメージそのままの凛としたデヴィ夫人の姿から、芯の強さや自信が感じられた。
私は、危機感だけでなく、興味をもって世界に目を向ける日本人が増えてほしいと願う。

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