編集長ノート

私が留学していたとき「なぜ日本人は学校で寝て、夜遅くまで塾に通うんだ? お金も時間も無駄じゃないか」とクラスメイトに聞かれたことがある。「日本では受験というのがあって、学校以外でもたくさん勉強しないといい学校に入れなくて、将来就職にも響くから......」と答えるうちに、自分自身も「???」という気になってきた。なぜ学校の授業だけではだめなのか、遊び盛りの子どもが夜遅くまで塾に行かなければならないのか。

私は、15歳で単身ニュージーランドに渡って高校を卒業し、アメリカの大学に学んだ。その間、何度もこのような「日本の教育の不思議」を友人から指摘されたり、実感したりした。たとえば、日本人はなぜ、中高大と10年も英語を学んでいるのに、アジア諸国の学生と比較しても、英語力が著しく劣るのか、ということもそうである。

また、日本のような「受験戦争」とまで言われるような大学入試制度は、世界的に見て少数派だし、新卒採用中心の就職システムは他国には例がないのではないだろうか。こうした、きわめて敗者復活が難しい社会システムが、子どもたちから学ぶ意欲を奪い、夢を奪っているのではないだろうか。

グローバル化の進む世界の中で、次代を担う子どもたちをいかに育てるか。私は、即刻教育システムの抜本的な改革を行うべきだと考えているが、現実的には難しい。それだけに、現場の先生たちに、大いに期待している。先生方には、大変ではあるけれど、世界で活躍できる子どもたちを育てるべくがんばって欲しい。

キンジローでは、少しでもそのお役に立てるような情報を提供していきたいし、キンジローを媒介として、先生方の現場の悩みや教育に対する意見、授業の工夫などを共有していきたいと思っている。

私も誌面を借りて、拙い経験から感じたこと、教育に対する思いを吠えていきたいと思う。それに対する皆さんのご意見も、心よりお待ちしている。

[Vol.06 2010夏号掲載]

編集長プロフィール

天野智之

天野智之

15歳で単身ニュージーランドの高校へ留学。高校卒業後に渡米、カリフォルニア州立大学で学位を取得。その後日本へ帰国し、会社員を経て起業。
「海外から見た日本の教育」という視点で日本の教育制度にもの申す!

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