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英語試験は今後どうなっていくのか

グローバル化が進み、就職にも語学力が必要な時代。英語の試験は今後どうなっていくのか?TOEFL(R)テスト世界戦略本部であるETS Globalのトップ、ザビール・ヤジッド氏にキンジロー編集長が問う!

TOEFL(R)テストとTOEIC(R)テストは世界のテストに

天野:グローバル化が進み、日本でも英語試験の重要性が増している中、ETSが今後目指している方向性・ゴールはなんでしょうか?

ザビール:もっとグローバル展開を強めることです。
私たちETS(Educational Testing Service)は、TOEFL(R)テストとTOEIC(R)テストなどを開発・運営する米国非営利教育団体で、60年以上の実績があります。
今では180以上の国で5億個もの試験を作っています。
それだけ既にグローバル展開しているETSでもまだグローバル化が十分ではない。
アフリカや北朝鮮などでもサービスを展開することが長期的な目標の一つですね。

天野:10年後、20年後の具体的な夢はありますか?

ザビール:いつかTOEFL(R)テストやTOEIC(R)テストの奨学金を得た卒業生たちを一堂に集めたいですね。
ETSのテストの受験者たちには世界中で活躍している優秀な人材がたくさんいます。
今後さらに活躍する優秀な人たちが増えていって、皆で集まれたら凄くうれしいです。

天野:様々な国で試験を提供していますが、国によって学習レベルや意欲に違いはありますか?

ザビール:ETSはテストについて様々なデータを提供していますが、国によって歴史的背景や教育システム、文化が違うので、テストの結果でこの国はあの国よりも優れている、と比べることには注意が必要です。
日本なら日本というある1国の経年変化をこれらのデータで見る、ということをお勧めします。
今までの実績と大量のデータがあるので、それぞれの国に合わせて展開していくことを重要視しています。

レベルとニーズにあった英語試験を選ぶ

天野:TOEFL(R)テストは日本の教育現場にどのような影響をもたらしていると思いますか?

ザビール:ETSのテストは世界中で認められている試験なので、TOEFL(R)テストを受けることで世界水準での英語力の評価を得ることができます。
日本国内だけでなく、世界で通用する語学力を目指すための総合的な良い評価目標になっていると思います。

天野:日本では英語試験では英検やTOEFL(R)テスト、TOEIC(R)テストなどたくさんの試験制度がありますが、それぞれの試験の違いや、各自の目指す方向をどう定めていけば良いでしょうか?

ザビール:私達が作成している様々なテストの目的を、もっと説明していかなければいけませんね。
TOEFL(R)テストは一般的にアカデミックな目的のものですし、TOEIC(R)テストはビジネスの場での英語力を評価するものです。
テストを受ける人たちが自分のニーズに合ったテストを受けられるように整えていかなければいけません。
ETSのWebサイト(www.ets.org)で、それぞれのテストの目的などについてうまく説明できていればいいのですが。

天野:日本では受験制度もあり、受験勉強の為の英語というのも必要になってくると思いますが、その部分は外から見てどう思いますか?

ザビール:日本の学校教育についての私たちの理解は限られたものですし、国がどうすべきかと何か言える立場ではありませんが、最近日本政府は小学校から英語教育を始めたと聞き、よかったと思っています。
早いうちから語学を習うことは良いことでしょう。
私達の立場としては、それぞれ違うレベル・違うニーズの受験者に対して、適切に英語力を評価していく試験システムを提供していくことが役目だと考えています。

教育の機会は万人平等に

天野:日本以外の国でのETSのテストに関する評価や影響はどのようなものでしょうか?

ザビール:ETSのテストは高等教育への進学や就職の為の一つの指標になっています。
これは他の国々でも大きな影響をもたらしたと思っています。
TOEFL(R)テストだけでも、英語力を測定するために130カ国で使われていますから。

天野:「TOEFL(R)テストスカラシッププログラム」として奨学金制度も日本で始められましたが、先に奨学金制度を始めている中国、韓国、インドなどではどのような影響がありましたか?

ザビール:奨学金制度はどの国でも必要とされている制度だと感じます。
必要としている人達に学びの機会を提供できるのでとても良い制度だと思っています。

天野:日本では海外留学に行く人数が年々減っている中で、奨学金は留学生数の増加にも繋がる良い機会になりそうですね。

ザビール:留学生数の増加も重要ですが「質」も大事にしています。
私たちの奨学金に申込む方々は大変優秀でやる気のある方々ばかりです。
奨学生はきっと将来影響力を持つ力のある方々です。
ETSは優秀な人材を育てることを第一優先とし、教育の機会を提供していきたいと思っています。

ザビール・ヤジッドさん

ザビール・ヤジッドさん
ETSグローバル最高責任者。TOEFL(R)テストやTOEIC(R)テストを開発・運営し、世界の英語教育業界に貢献

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