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教育実習と継続的な学習が教師の指導力を高める

小学校の外国語活動が開始し、高校の英語の授業を2013年から英語で行うというように、日本の英語教育が大きく変わっている。世界最大級の教育機関である、ピアソンの日本支社、株式会社ピアソン桐原(http://www.pearsonkirihara.jp/)の代表取締役社長ブレンダン・デラハンティさんにグローバルな視点で日本の教育の今後についてうかがった。

若いうちから英語に触れる機会を

天野:今年から小学校での外国語活動が始まるなど、日本の英語教育が大きな変革の時期にありますが、この流れをどのように見ていますか?

ブレンダン:小学校の外国語活動は文法などの難しいことは教えずに、まずは外国語に慣れ親しむことに重点が置かれていると思います。
若いほうが外国語を覚える能力が高く、早くから英語に触れることはとても良いことだと思います。

天野:2013年からは高校の英語の授業は基本的に英語で行うことになりますが、こちらについてはどのように見ていますか?

ブレンダン:この流れは、今までのように読み書き中心の教育ではなく、コミュニケーションが重要だという理解が広まっている証拠です。
英語で授業が行われると、その分生徒が英語に触れる機会が多くなるので、良い方向に向かっていると言えるでしょう。
ただ、現場の先生の中には困惑している方もいるのではないでしょうか。
私は以前、JETプログラムに参加し、埼玉の高校で3年間英語を教えていたことがありますが、英語を母語としない先生が授業を英語で行うということは大変なことだと思います。
現場の先生達はとても頑張っているので、先生達が授業を進めやすい環境やサービスを提供していくことが大切だと考えています。

指導力アップのカギは現場実習と継続的学習

天野:JETプログラムで日本の教育現場を経験されて、イギリスの教育現場との違いなどはありましたでしょうか?

ブレンダン:はい。
大きく二点違いがあると思いました。
一点目の違いは、クラスのサイズですね。イギリスでは、1クラス平均20名程度で、さらにクラスにはアシスタントの先生もいるので、1人の先生が10名程度の生徒を見るということになります。
これは生徒一人一人に接する時間を多くとれるので非常に有効です。
二点目は実習期間の長さです。
日本では教育実習は数週間程度で終わることが多いですが、イギリスでは大学の教育課程の途中で、最低1年間は現場の先生のアシスタントとして働く経験をしてから大学に戻って卒業します。
教師は1人で教えなければいけない為、教師として働き始めると、他の先生の教え方を見たり指導法を学んだりする機会がほとんどありません。
プロフェッショナルの教師として教えるには、それなりの実習期間を設け、経験を積むことが重要です。

天野:既に教鞭をとっている方々のスキルアップに効果的な方法などはありますでしょうか?

ブレンダン:弊社は以前、コロンビア共和国政府の要請で、Longman English Interactiveという教材を提供し、コロンビア共和国の先生達の英語力が飛躍的に伸びたという実績があります。
英語を母語としない人達が英語を教えるためには、教師自体の英語力を高めることが一つの効果的な方法です。
日本でも同様に、英語教師の英語力アップのサポートを行うことで、教育の質を上げることが可能と考えます。

現場の先生の意見が良い教材を作る

天野:最後に現場の英語教師の方々にメッセージをお願いします。

ブレンダン:先ほどお話したように、私は以前JETプログラムで3年ほど日本で英語を教えたことがあるので、英語を教えることがとても難しい仕事で、現場の先生方は凄く努力して良い仕事をしていることを知っています。
ピアソン桐原は先生方のお役に立てるように、製品・サービスを開発し、教育現場のサポートをしています。
弊社の教材は現場の先生方の協力のもとで開発を行っているので、使っている先生方からは大変ご好評を頂いております。
是非良いアイデアをお持ちの先生方には、開発に携わって頂きたいと思っておりますので弊社までご連絡を下さい。

(2011年9月28日取材)

ブレンダン・デラハンティさん

ブレンダン・デラハンティさん
株式会社ピアソン桐原代表取締役社長。JETプログラムにて来日、埼玉県立宮代高等学校にて3年間英語を教えたのち、日本外国語専門学校の英語講師として2年間勤務。その後株式会社ピアソン・エデュケーションに入社し、現在に至る。株式会社ピアソン桐原ウェブサイト:http://www.pearsonkirihara.jp/

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